ホットトイズやバンダイなどのヒーローフィギュアのレビューをしています。
今回は、
メディコス製「超像可動 ジョナサン・ジョースター」代行レビュ―です。
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1986年に「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された「荒木飛呂彦先生」原作のコミック
「ジョジョの奇妙な冒険」の第1部「ファントムブラッド」の主人公
「ジョナサン・ジョースター」の「超像可動」です。
第1部の舞台は19世紀末のイギリスで、
「ジョナサン・ジョースター」は貴族「ジョースター家」の御曹司でした。
※私は「ジョジョの奇妙な冒険」について、
第1部から第4部の途中まで読みましたが、
それ以降のパートは、断片的に読んだに留まります。
以下の内容は、
上記の前提で記載しておりますので、何卒ご容赦願います。
私は「ジョジョの奇妙な冒険」の第3部
「スターダストクルセイダース」の途中から読み始めました。
途中参加でも、
個性的な登場人物達や、
各「スタンド」の能力を駆使した戦いは十分に魅力的で楽しむ事ができました。
しかし読み進んで行く内に、
「ジョースター家とディオとの因縁とは?」
「何故ジョセフの左手は義手なのか?」
「スピードワゴン財団とは何か?」
という気になるポイントが次々に出て来ました。
そう言う訳で、
改めて第1部から作品を読み始める事にしました。
第1部を読み始めて最初に感じた事は、
「随分話が暗い」という印象でした。
それまで恵まれた環境で何不自由なく生活していた「ジョナサン」が、
「ディオ・ブランドー」が養子として「ジョースター家」に迎え入れられたのを境に、
不幸のどん底に突き落とされる展開は、読んでいて胸が詰まりました。
「ディオ」のばらまいた噂により、
「ジョナサン」が友人達に裏切られ孤立し、
さらには初恋の少女「エリナ」の唇を「ディオ」に奪われる姿は気の毒で仕方ありませんでした。
そういう訳で、
「ディオ」が本当に憎らしく映りました。
「エリナ」の一件で激昂した「ジョナサン」が、
初めて「ディオ」を圧倒する場面はスカッとしました。
(但しその直後、喧嘩両成敗とはいえ父親から誤解され罰を受けてしまいます…)
「ディオ」の仕返しにより、愛犬「ダニー」を惨殺され、
自室のベットで「ジョナサン」が泣いている場面は本当に切なかったです。
どこまで「ジョナサン」の不遇が描かれるのかと嫌気が差し始めた時、
物語はアクションバトル物へと変わり、一気に読みやすくなりました。
「ジョナサン」によって「ジョースター家」乗っ取りの企みを暴かれた「ディオ」が、
「石仮面」を被り吸血鬼と化し、殺戮の限りを尽くす場面が本当に恐ろしかったです。
特に、
「ディオ」によって警部の頭が吹き飛ばされ、
警官が精気を吸収されゾンビと化す場面は読んでから暫くの間トラウマになりました。
何でも「荒木先生」は、
自ら考察本を出版する程のホラー映画好きなので
(※「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」 (集英社新書))、
それらを意識して描かれたのだと思われます。
グロい描写が追加されたものの、
「ウィル・A・ツェペリ」に「波紋」を教わり戦士となった「ジョナサン」が
ヒーロー然と活躍する展開は爽快でした。
もしも「石仮面」も「吸血鬼」も登場せず、
序盤の様な悶々とした展開が続いていたら、
ドロドロの昼ドラや韓流ドラマと大差ありませんでした。
作風がアクション漫画となり、序盤の陰気さが払拭されたものの、
結局第1部はバッドエンドで締め括られる形となりました。
激闘の末「ディオ」を倒した「ジョナサン」は、
「エリナ」と結婚します。
しかしその新婚旅行の途中、
2人を乗せた船に首だけとなった「ディオ」が現れます。
「ディオ」の攻撃を受け「波紋」を封じられた「ジョナサン」は、
最後の1撃で一味を一網打尽にしようとします。
他の乗客の中で唯一の生存者である赤ん坊(後の「リサリサ=エリザベス・ジョースター」)を「エリナ」に託し、「ジョナサン」は「ディオ」の首を抱えたまま息絶えます。
「エリナ」と結ばれやっと幸せになれると思われた矢先に訪れる悲劇的な結末は、
読んでいてやりきれなかったです。
後に「荒木先生」自身、
1部の結末については反省すべき点があったというニュアンスのコメントをしていました。
そのためか、
後のパートについては、
一時的に悪が優勢になる事はあっても、
最後は必ず正義が勝利するという展開になる様心掛けて描いているそうです。
その後の3部で、
「ジョナサン」の肉体を奪って生き延びた「ディオ」が、
ジョナサン」の子孫である「空条承太郎」によって完全に倒される場面は、
カタルシスを感じました。
「ジョジョ」という作品が1部だけで終わっていたら、
薄幸の主人公が最後に死ぬと言うあまりに悲劇的な作品になっていたかもしれませんね。
「ジョナサン」については、
歴代の「ジョジョ」の中でも群を抜いて生真面目で模範的な性格の主人公という印象が強いです。
さて第1部と言えば、
雑誌掲載時と単行本との差異が有名ですね。
「ダニー」を蹴り飛ばされた直後に「ジョナサン」が「ディオ」に言い放った
「何をするだァーッ!ゆるさんッ!」
の台詞と、
生涯独身であったはずの「ウィル・A・ツェペリ」が、
2部の「シーザー」との辻褄合わせて妻子持ちに修正された点等が、
ファンの間ではネタとしてお馴染みですね。
前置きが大変長くなりましたが、
レビュー開始です。
※本レビューには作品の設定と異なる内容の写真が含まれますがご容赦願います。
(全体図)
(付属品)
交換用手首(左右各4種)
バックパック
頭部(本体用・差替え用)
剣
鞘
台座(プレート・可動式アーム)
アダプター
(頭部)
(本体用)
(差替え用)
「頭部」を交換する事で、
戦闘時の険しい表情の「ジョナサン」を再現可能です。
顔のデザインはTVアニメ版ではなく、原作版に準拠しています。
(肩関節)
肩の付根は前後に回転可動します。
(背中)
背中の中央には、
「可動式アーム」のジョイントを差し込むための穴が設けられています。
(バックパック)
付属の「バックパック」を背中に装備する事が可能です。
非接着の下部2箇所のダボを一旦取り外した上で、
肩紐を本体にかけて背負わせ、ダボで固定します。
かばんの蓋は開閉不可です。
(アダプター)
「バックパック」の穴を貫通して「アダプター」を取り付けます。
(ディスプレイ)
「アダプター」を用いる事により、背負ったまま台座にディスプレイ可能です。
(肩の可動域)
両腕を真横に約85度広げる事が可能です。
肩の付根ごと回転させる事で、両腕を真上に上げる事が可能です。
肩の付根の向きを調整し、両腕を左右に真っすぐ伸ばす事が可能です。
両腕を交差させたポーズも再現可能です。
(肘関節の可動域)
上腕と下腕を完全に密着させる事はできませんが、
肘関節によりかなり深く腕を曲げる事が可能です。
(上半身の可動域)
胸部と腰部に仕込まれたボール軸により、前屈みと仰け反った姿勢を再現可能です。
同じく腰部のボール軸により、上半身を左右に向かせる事が可能です。
(足の付根関節の可動域)
足の付け根に仕込まれたボール軸により、股割りの状態まで両足を広げる事が可能です。
(膝関節の可動域)
太腿と脛を完全に密着させる事はできませんが、
膝関節によりかなり深く足を曲げる事が可能です。
(爪先)
「バンダイ」の「S.H.フィギュアーツ」同様、爪先も可動します。
(剣と鞘)
劇中で「黒騎士ブラフォード」から託された
「幸運(LUCK)と勇気(PLUCK)の剣と鞘」が付属します。
剣を鞘に収納可能です。
(持ち手)
剣の持ち手には、「LUCK」の文字が刻まれ、
「ブラフォード」が血で書いた「P」の文字がプリントされています。
「専用持ち手用手首」に換装する事により、
「ジョナサン」本体に剣を握らせる事が可能です。
(「ダニー」を蹴飛ばした「ディオ」に怒る「ジョナサン」)
ジョナサン「なっ!何をするだァ――ッ!ゆるさんッ!」
(勝ち誇る「ディオ」に言い放つ「ジョナサン」)
ジョナサン「『策』ではないッ!『勇気』だ!!」
(「ズームパンチ」のつもり)
(以下適当に何枚か)
(総評)
(長所)
今回初めてメディコスの「超像可動」を代行レビュ―しましたが、
「ジョナサン」のデザインと雰囲気が忠実に再現されているという印象を受けました。
下腕や脛等の体の各部が真っすぐに造型されていない点に何となく戸惑いました。
しかしそのおかげで、
「ジョジョ」のキャラ独特のポーズを、かなりイメージに近い形で取らせる事ができました。
「バックパック」を装着した状態でも、
「台座」にディスプレイできる仕様も見所でした。
クライマックスで印象的だった、
「ブラフォードの剣」が付属したのもベストチョイスだと感じました。
(短所)
付属品が簡素で、プレイバリューがいまいちという印象が残念でした。
「叫び顔」「笑顔」の「差し替え頭部」も付属させてほしいものでした。
また、
「切り裂きジャック」との戦いで探知機として活躍した
「ワイングラス」も付属させてほしいものでした。
これまで「ジョセフ」「承太郎」等が本ブランドで先に商品化されていましたが、
やはり「初代ジョジョ」である「ジョナサン」は欠かせないとずっと感じていました。
今回めでたく商品化された事は高く評価したいと思います。
最後に、
2012年から放送されたアニメ版「ジョジョの奇妙な冒険」について
個人的に思う所を記載したいと思います。
※商品のレビュ―とは無関係なので、
興味のない方はどうぞ無視して下さい。
1部と2部のキャラデザインが、
連載当時の物でもなければ新たに「荒木先生」が描き下ろした物でもない、
テレビ用の簡略化された物であった点に正直違和感がありました。
それに対し3部は、
連載当時の雰囲気をほぼ忠実に再現した、かなり緻密なタッチのデザインでした。
「どうせだったら1部と2部も同じクオリティーでやってくれたら良かったのに…」
と思わずにいられませんでした。
確かに人気の度合いを考慮すると、
3部の制作に対し並々ならぬ力が込められたのかもしれません。
制作側の事情があるとは言え、
やはり3部と同じクオリティーであれば、
1部と2部はより魅力的に映ったと思えてなりませんでした。
同様に、
ほぼ原作の内容をそのまま映像化した印象の3部に対し、
1部・2部の方は、細かい箇所がごっそりとカットされた印象でした。
1部では、
「ディオ」の父「ダリオ」のクズぶりや、
その「ダリオ」を庇い立てする「ジョースター卿」を警部が批判する場面等を
映像化してほしいものでした。
同様に、
「ジョナサン」の「ズームパンチ」のシーンがカットされた点も残念に思いました。
2部では、
メキシコを訪れた「ジョセフ」が、絡んで来た地元のチンピラを使いっぱしりにする場面や、
「リサリサ」から「赤石」を奪おうとした「シュトロハイム」の部下が、
「ジョセフ」にからしまみれにされる場面等も映像化してほしいと思いました。
それと、
放送倫理の都合により、原作からカット・変更された箇所も多々ありました。
1部の「ジョナサン」と2部の「スモーキー」の喫煙シーンが、
それぞれ丸ごとカットされていました。
3部では展開上外せないため、
「承太郎」の喫煙シーンは映像化されたものの、
放送時はモザイクがかけられていました。
また、
2部の「シュトロハイム」が属する「ナチス」が、
「ドイツ軍」に変更されていました。
そして3部では、
「ディオ」が上院議員に命じて歩行者を轢き殺させる場面が、
時勢を考慮しカットされていました。
それから、
2部では1部の映像が回想場面等で登場する機会が多々あったのに対し、
3部ではクライマックスで
「ディオ」の脳裏に一瞬浮かぶ場面で1部の映像が登場するに留まった点が残念でした。
個人的には、
映像の使い回しばかりする作品には好印象を持っていませんが、
2部の際の1部の映像の使用頻度については、丁度良かったと感じました。
同様に3部でも、
1部と2部の映像を台詞の補足として使用する程度であれば、
より興味深く視聴できたと思いました。
個人的に挿入してほしかった場面と映像は以下の通りです。
・「ジョセフ」が「ジョースター家」と「ディオ」との因縁を語る冒頭の場面で、
1部の「ジョナサン」の最期
・「ジョセフ」が「ポルナレフ」に左手の義手について語る場面で、
2部の「ジョセフ」が左手を「カーズ」に切断される場面
・「スティーリー・ダン」によって体内に「ラバーズ」を潜入させられた「ジョセフ」が
「若い頃心臓に毒薬を埋め込まれた」とモノローグで語る場面で、
2部の「ジョセフ」が「ワムウ」に心臓に毒薬入りの指輪を埋め込まれる場面
・「スージー・Q」が50年前に「ジョセフ」と出会った事を語る場面で、
2部のヴェネチアにおける「ジョセフ」と「スージー・Q」のやり取りの場面
上記の様な展開があれば尚良かったと個人的には思いました。
ここまで後ろ向きなコメントばかり書き連ねましたが、
無論高く評価したい箇所も幾つもありました。
まず、
個人的にお気に入りだった2部が初映像化された点が魅力的でした。
また、
原作にはないアニメオリジナルの場面が描かれた点も、
映像化の醍醐味だと感じました。
具体的には以下の通りです。
・2部で、「カーズ」との決戦で死んだと思われた「ジョセフ」が、
如何にして生還したかを語る場面で、一連の出来事が止め絵で流される場面
・2部で、「ジョセフ」の友人「スモーキー・ブラウン」が黒人市長となった姿が描かれた場面
・2部で、「エリナ」の最期を看取る「ジョースター家」とその関係者の面々の中に、
幼い「ホリィ」の姿が描かれた場面
・3部の、「空条家」の茶室における「ジョセフ」と「アヴドゥル」のやり取り
・3部で、「ジョセフ」「承太郎」が、それぞれ「スージー・Q」と電話で会話する場面
・3部の、「ジョセフ」が「イギー」と遊ぼうとして、屁を嗅がされる場面
3部に関しては、
ハイクオリティーな映像により、各「スタンド」の能力が、
迫力十分に描かれていた点が最も魅力的でした。
最終決戦の「スタープラチナ」と「ザ・ワールド」とのラッシュ対決の場面は感無量でした。
そして、
3パート全ての主題歌がお気に入りでした。
4部以降のアニメ化については未定との事ですが、
果たしてどうなるのでしょうか?
上記の様に、
4部以降のパートについては私の方から何ともコメントできません。
しかし、
人によっては思い入れがあるでしょうから、映像化が叶うといいですね。
最後は脱線してしまいましたが、
今回はこれまで!