ホットトイズやバンダイなどのヒーローフィギュアのレビューをしています。
(全体像)
「スパイダーマン ファーフロムホーム」より、スパイダーマン アップグレードスーツのフィギュアがホットトイズより発売されました。今回のスーツは、前作のスタークスーツに代わって新たに製造された新型スパイダースーツです。
フィギュアは「スパイダーマン・ホームカミング」に登場したスタークスーツと比べて全体的なデザインは近いものの、ブルーカラー部分がブラックに変更され、レッド部分のウェブパターンもより濃い色に変更されていました。スーツのレッドカラー部分はスタークスーツ版よりも表面の凹凸がより顕著に再現されており、特にヘッドとハンド部分はその違いが大きく現れていました。またブラック部分も表面の凸部分のパターンは複数再現されており、スタークスーツよりも細かく再現されたスーツに仕上がっていました。シルエットもスタークスーツとほぼ同じで違和感はなく、素体はスタークスーツ版と同じもしくは近いものを使用しているようでした。
(各部)
前作ホームカミングやアベンジャーズインフィニティウォーに登場したスタークスーツ版よりも目の端が尖った造形となり、頭部形状もホームカミング版よりも劇中のヘッドの形状により近く改良されていました。特に前作版では前頭部あたりにスーツの縫い目が見えて気になりましたが、今回は後頭部に移動したので正面の見栄えはより良くなりました。
首から胸部のレッド部分に再現されたウェブパターンは、ホームカミング版よりも濃くくっきりとしており、胸のスパイダーのシンボルも大型化及び縁のホワイトが追加されていました。
スーツのブラック部分も複数種類の細かいウェブパターンが再現されており、ホームカミング版よりもスーツの質感も向上していました。
腕でも二の腕、肘より下、手の甲それぞれ表面のパターンが異なっており、かなり作りこんでことがわかります。
今回のスーツはスパイダーウェブ発射装置はスーツに内蔵されており、発射装置は劇中よりも簡略的に再現されていました。あと手のひらにはウェブの発射ボタン?のようなものがあるのですが、劇中の場面によっては少し周囲とカラーが違うように見えることもあったので、細かいですができれば再現してほしかったですね。
腰からふとともにかけても、2タイプのパターンがスーツ表面に再現されており、鈍い光沢も相まって質感も十分でした。
足部分も脛と同様にレッドカラーのスーツが続いており、ウェブパターンや表面の凹凸も他の部位と同様に乱れもなく綺麗な仕上がりでした。
背中のスパイダーマークの再現も問題なくされており、ブラックカラー部分表面の凸パターンも複数種類を使用して再現されており前面に劣らず良い仕上がりになっていました。
ホームカミング版と比較
スタークスーツ版(ホームカミング)との比較。スーツのレッドカラーは若干アップグレードスーツが濃く見え、身体のシルエットはほぼ同じに見え素体は同じかそれに近いものが使用されているようでした。
胸部のウェブパターンはアップグレードスーツのほうが濃くプリントされていますね。
足の形状もほぼ同じですが、足の裏は共通ではなく新規造形されていました。
背中のスパイダーマークも違いが再現されていました。
頭部の形は横から見てもより整えられていることがわかります。目も形状の違いをよく再現されていました。
(オプション)
スパイダーウェブは、以前レビューしたステルススーツ版とほぼ同じものが付属していました。
ハンドは本体付属の握りに加えて、開き×2、スパイダーネット射出用、スパイダーネット持ち手(右)、スマートフォン持ち手(左)、ピースポーズ(左)、スパイダーネット射出用交換パーツ(左右)が付属しました。できればスマホ及びスパイダーウェブ持ち手は両手分を付属させてほしかったですね。
スパイダーウェブ射出用ハンドは、一部パーツを交換してウェブを差し込むことでしっかりと固定できてネットを射出状態を再現できます。 今までのスーツにはなかった機構ですがウェブの方向は変えられないので、スーツの腕にある発射口にうまくあわせてポーズをとらせるのが少しやりにくくなったの感がありました。
交換用目パーツ
スパイダーマンの劇中の目の形状を4種類変えることができ、スパイダーセンスを使用するために目をつむった状態を再現できます。ちなみにスタークスーツ版ではスティックでパーツ交換したほうがしやすかったですが、今回は手でも簡単に着脱が可能になっていました。
ウェブ・ウィング
今回もスパイダーマンはウェブウイングで上空から滑空しながら跳ぶシーンがありましたが、今回は脚の間にもウェブが追加されていました。
スーツに内蔵されている磁石で、ウイングを腕、胴、脚にセットすることができます。私の購入分では、スタークスーツ版よりも少し磁力が強いせいか安定してセットすることができるようになっていました。ただ、このウイングを付けた状態でスタンドにセットしようとすると隙間ができてウイングがとれやすくなるので、できれば飛行状態でのディスプレイをより簡単にできる仕様にしてほしかったですね。
ピーター・パーカーヘッド
ピーターヘッドはスタークスーツ版、ホームメイド(ホームカミング版)、アイアンスパイダーのヘッドとは違って、新規造形のものが付属していました。個人的には前作版でも似ていたのでどこまで似てくるか心配でしたが、少しふっくらした感じなものの撮影当時のトム・ホランド氏の顔をよく再現できており、前に下がった前髪の造形や肌の色もかなりよく仕上がっていました。
スタークスーツ版との比較。顔の輪郭がスタークスーツ版よりも丸くなっており、髪の毛や顔色も明るくなっていました。少しファーフロム版のほうが少し太ったように見えますが、表情は若干優しく見えうまく差別化されていました。
イーディスグラス
劇中でのキーアイテムであるトニー・スタークの残したドローンを操作できる「イーディス」のサングラスも付属していました。今までのホットトイズでは眼鏡はプラ製がほとんどでしたが、今回はフレームが金属製になっていました。レンズが劇中にあわせて薄いブルーカラーのクリアーパーツが使用されていました。
ピーターヘッド ステルススーツ版装着
ステルススーツ版に付属している専用のネックパーツを使用して、ピーターヘッドをステルススーツ版にセットすることができます。専用パーツということもあり首の長さもちょうどよく見た目も問題ないのですが、できればステルススーツにも素顔ヘッドを付けてほしかったですね。
マスク
スタークスーツ版にも付属した脱いだスパイダースーツのマスクが付属します。こちらはちゃんと目のパーツが今作版に変更されており、スパイダーのラインも今作版にあわせて濃く変更されていました。
スマートフォン
ピーターが使用していたスマートフォンが付属し、画面にはM・Jの「ぶらりスマホ禁止」のメッセージでのSNSのやりとりが再現されています。またスマホ下には劇中通りに画面のヒビもちゃんと再現されていました。
ドローン
劇中ではピーターを苦しめたドローンが付属し、こちらは別売りやホームメイドスーツ版に付属した大型ではなく小型のものが付属していました。各部のランプや銃器の色、ダメージ塗装等も施されており十分にリアルに仕上がっていました。
スタンド
スタンドはフレキシブルピラーの支柱が付属するので、スパイダーマンのウェブスイング状態などでのディスプレイが可能でした。台座表面にはスパイダーマークがあしらわれたデザインがプリントされていました。
今回はドローン専用のフレキシブルピラー支柱が付属し、スタンドの支柱にセットしてネジで締めて固定することができます。支柱先端にドローンをセットでき、左右回転、前後へのアングル調整が可能でした。ただ劇中ではドローンに乗ったり盾にするシーンも多くあったので、できれば本来の大きさのものが付属しているほうがディスプレイの幅も広がりそうですね。
(可動性)
ヘッドは前後左右ともによく動かせました。特に後ろ方向はスタークスーツ版よりも大きく反らすことができ可動性は拡張されていました。
腕は横にはスタークスーツ版と同様に、クリック式で約120度ほど上がりました。
ひじはスタークスーツ版と同じく約120度曲がります。
手は前後に約20度ほど傾けることができ、これはスタークスーツと同様の可動域になっていました。
腕は真上はスーツの干渉があるので難しいですが、近い角度で真上に上げることができました。
腕は前方に引き出すことができ、腕を少しですがクロスさせることができるようになっていました。
胴体の可動性は前後ともにスタークスーツと同じかより大きく曲げることができるようになっていました。
ただ、左右の回転についてはスーツの干渉があるせいかスタークスーツ版よりも回転できる角度は狭かったです。
上半身の左右への可動域ですが、ほぼスタークスーツと同じでした。
脚は股関節部分はスタークスーツ版と同様にクリック式になっており、スタークスーツ版と同じく少し外側に脚を動かしつつ上げると約100度ほど曲げられました。
ただこのフィギュアのサンプル画像ではこれ以上動かしていると思われるものがありましたが、私の購入分ではどうしてもそこまで上げるのは難しかったです。
脚は左右には約120度ほどまで開脚が可能でした。足も前後左右に可動域もそこそこあるので接地性も高めでした。
脚は後ろには60度近くまで可動域がありました。
足のつま先はスタークスーツ版と同様に60度ほど上に可動域がありました。
(そのほか)
劇中でのイリュージョン内でのスパイダーセンスを使ったドローンとの戦闘はかなりカッコよくて気に入っていたので、ドローンも通常の大きさのものが付属してほしかったですね。まあ今度発売されるドローンセットを買えばいいのですが、やはり一つはこのセットにもあってほしかったですね。
ステルススーツにピーターヘッドを取り付けても問題なく見栄えも良いですが、このヘッドがステルススーツに付いていればここまで値崩れはしなかったかも?
劇中ではドローンのコアとタワーブリッジの看板?を盾にドローンに攻撃を仕掛けますが、今回のフィギュアにはこのアイテムは付属しないのでオマージュ元のような気がしたのでエンドゲームキャップのムジョルニアとシールドを装備させてみました。まあピーターはムジョルニアを持てないと思いますが、シールドはシビルウォーでも奪っていたので使えるかも。
以上、ホットトイズ スパイダーマン・ファーフロムホーム スパイダーマン アップグレードスーツ版 レビューでした。
(総評)
良かったところ
スーツの再現度は高く、表面の凹凸や細かいパターンの再現され秀逸な仕上がり
ピーターヘッドは新規造形で良く似ており、ステルススーツにも対応可能
ドローン、専用スタンド、スマホ、イーディスサングラスなど付属品も多数付属
スパイダーウェブ発射装置は新規造形で、交換用パーツで前作版よりも安定して着脱可能
気になったところ
可動性は概ね高めだが、脚はサンプル画像ほど広くはなかった
今回のスーツの再現度はスタークスーツ版よりも詳細に再現されており、素体はほど同じようですが頭部なども新規造形でより改良されていました。可動性はスターク版とほぼ同じですが一部はよりも高くなっている部位もあったので、同様のポーズをとることができました。付属のピーターヘッドは新規造形でよく似ており、ステルススーツ版にも使用することができます。またスパイダーウェブ発射装置へのウェブ取り付けはよりしっかりとできるようになり、ドローンや専用支柱、スマホなど付属品もかなり充実していました。
一つ気になったのは全体の可動性はスタークスーツ版と同様で一部はより広いところもありましたが、サンプル画像ほど脚は上がらなかったのでそこは同様になるよう改良してほしかったですね。 あと今回のウェブ発射装置は、できれば上下に方向も変えられるとよりよかったですね。
少し気になる点もありましたが、スタークスーツ版よりスーツ再現度も向上しておりカッコよく、最新のスパイダースーツとしては文句なくいい出来だと思うので欲しい人は購入してもいいと思います。また最近ステルススーツ版(通常、DXともに)が相当に値下がりしているので、ピーターヘッドを使用して同時に飾るのも良いかもしれません(私は予約して購入したので複雑ですが・・・)
ホットトイズのスパイダーマンファーフロムホームからは、後はドローンのセットとミステリオ、トイサピエンス限定でゾンビアイアンマンが発売予定になっています。次回作3の製作&撮影も開始されているので、3作目でどのような区切りになるか期待したいですね。そしてコロナのせいでMCUの展開スピードがかなり遅れましたが、アベンジャーズでの今後のスパイディの活躍にも期待したいと思います。
それでは今回はこれにて失礼します。